眼科レーザーとは
レーザー治療を行う代表的な疾患は次のようなものがあります。
網膜裂孔は、網膜に孔があくことで、そこから眼内液が網膜の裏側に回ると網膜剥離を生じます。網膜剥離へ進行するのを食い止めるために、裂孔の周囲にレーザー光凝固を行います。
糖尿病網膜症は、高血糖が続くことによって網膜の血管が障害される病気で、毛細血管が詰まって網膜は酸素不足に陥ったり、血管から漏出がおきたりします。進行すると、新生血管とよばれる脆い血管が出てきて、眼の中の出血（硝子体出血）を生じてしまいます。新生血管の予防や、すでに発生している新生血管を退縮させるために、通常は網膜全体に広範囲にレーザー治療を行います。黄斑浮腫など病状によっては局所に行う場合もあります。
網膜静脈閉塞症に対しても、網膜の酸素不足による新生血管の発生や、硝子体出血の予防、浮腫を軽減させる目的でレーザー治療を行います。
網膜細動脈瘤に対しては、血管瘤自体を直接照射し凝固する目的で照射します。
閉塞隅角緑内障に対しては、周辺部の虹彩に孔を開けるレーザー治療が行われます。
後発白内障は、白内障術後数ヶ月から数年を経て、眼内レンズを固定するために残した水晶体の袋（嚢）が混濁し、かすみや視力低下を生じる状態です。YAGレーザーを用いて混濁を切開、切除することで視力回復が可能です。